桜ヶ丘陶芸倶楽部 SAKURAGAOKA TOUGEI CLUB

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こちらでは、講師、当HPのスタッフなどが定期的にダイアリーを更新していきます。日々のちょっとした出来事、嬉しいこと、気になるもの・・・などなどを楽しく報告していきたいと思っています。
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’21.8.13 目が覚める出来事   [金澤]





陶芸教室を始めて何年にもなりますが、作品の窯出しはいつも楽しみです。
「なかなかいい感じになっているな」とか、「釉薬が薄かったのかな」とか。それは、自分の作品でなくても同じです。
周りの人が絶賛する作品でも、本人の意図するところではない焼き上がりで、本人はがっかりするということもよくあります。
陶芸は、窯から出すまでわからない面白さがあるのです。

先日、1か月ぶりの窯焚きをし、暑い日ではありましたが、窯出しをしました。
孫用に作ったお皿は釉薬が薄かったもののまずまずの出来。
次々と作品を出していく中、「アーーー!」
目に入ってきたものは写真の通り、釉薬が棚板に流れてしまったものでした。
流れやすい釉薬だったり、重ね掛けをして釉薬が厚くなってしまったときに、棚板にまで流れてしまうのです。

さて、この作品はどうなるのか。

まず、棚板からはずすため、流れた釉薬の部分を砕いていきます。
棚板を割りたくはありませんし作品も割らないように叩いていくと、ガラス質の釉薬が割れ、棚板から外れます。
作品の高台の部分が棚板に残ってしまうこともあります。
次に、作品に付いた釉薬をグラインダーで削り取るのです。
削ったからと言って本来の形になる訳ではありませんが、割れた釉薬がガラス質な為、危なくないようにしておきます。
この作品ほど流れるとかなり大変でした。
余計なところに傷はつけたくないけど力を入れなくてはなかなか削れない。
作品が割れ物だけに、膝の上において削るのですが、今まで、手が滑ってグラインダーでよくエプロンを切りました。指など切らなかっただけ良かったです。
次は棚板の修繕です。くっついた釉薬を割り落とし、でこぼこになった表面をアルミナコーティング剤で修復するのです。
いい色合いに焼きあがった作品を作った人もがっかりでしょうが、こちらも痛手です。
この釉薬の組み合わせは流れやすかったことを私が忘れていました。
私の指導不足であると久々に感じる出来事でした。

この作品を作った方が「ホームページに載せたら」と案を出してくれたので、文章にしてみました。